★Interview★
第4回九州沖縄障害者オープンゴルフ選手権総合優勝
三井 清隆 さん(右下腿切断 鹿児島県)

ー第4回九州沖縄障害者オープンゴルフ選手権の総合優勝、おめでとうございます。今回の勝因は何ですか?
三井 まずパターがよく入りました。インコースは39でまわりましたが、その時のパット数は確か14でした。
それとOBがなかったことですね。実は試合の前にボールが曲がる傾向が出ていて、心配していました。けれど、試合中はあまり曲がらなかった。コースも好きなコースでした。
ー今回は総合優勝を狙っていらした?
三井 ええ、もちろん狙っていましたよ。そのつもりで会場に来ました。もっとも、この大会には沖縄で開催された第1回から出ていますが、いつも狙っていましたね。今回、やっととれて大変うれしいです。
ー練習は相当されたのでしょうか?

練習大好き。週4回はやります

三井 はい、私はもともと練習が好きなんです。コースに来ても練習してからラウンドするのと、しないでラウンドするのでは練習した方がぜんぜん楽しいですね。
週に4回は練習をしていますが、普通の練習場ではなく、スポーツクラブの練習場で打っています。まず、ジムで30分くらい筋トレをし、それからボールを200〜300球は打ちます。それも大きなショットではなく、主にアプローチですね。大きなショットは年だから疲れることもありますが(笑)、やはりスコアメークは寄せとパットですから・・・。
ー「年だから」とおっしゃいますが、三井さんはおいくつなんですか?
三井 64才です。今年の8月で65才になります。ですから、ボールを打つだけではなく「筋トレ」で体力を維持しないと。
ー十分に維持できているのではないですか。週4回ジムに通うというのはなかなか出来るものではありませんよ。ところで、三井さんが障害を負われたのは、いつでどういう経緯だったのでしょうか?
三井 24才の時、鹿児島市近郊をオートバイで走行中、タクシーとぶつかって右足を切断しました。事故後、そのタクシーで切れた足をもって病院に行ったのですが、つなげることができなかった。今の医学なら出来たのかもしれないのですが、当時はまったく無理でした。
ーかなりショックでしたか?

24才の時バイク事故で右足を切断

三井 はい、ショックではありましたが、たまたま家の隣に壊疽で足を切断し、義足の人がいたんです。その人が普通に生活している様子を見ていましたから、足を切ってもそんなにたいしたことにはならないと予測がつきました。それが救いでしたね。
足を切ってから、親父が経営していた写真館を飛び出して独立し、コマーシャル写真を制作する会社を始めました。今考えると無謀だったと思いますが、足を切断してもやる気や前向きな気持ちは変わらなかったということです。
ーゴルフを始めたのはいつ頃ですか?
三井 ええっと・・・確か41才の春でした。ええ、4月です。お客さんのコンペがあり、仕事がらみで参加せざるを得ないことからクラブをにぎりました。当時は乗用カートは一般的ではなく、歩きのゴルフが主流でしたが、鹿児島空港36カントリークラブ横川コースだけは乗用カートで回れました。そこでコースデビューし、初めてのスコアは62,65くらいでしたか。それからしばらくは友人に「チョコレート」のとられっぱなしで、悔しい思いをしました。で、元来、負けず嫌いなものですから、一念発起してレッスンに通いました。
初めてレッスンに行ったときプロに「片足のないひとの打ち方を教えて」と頼みましたが、「わからない」といわれましてね。しかたなく「では基本を教えてください」と言ったのを覚えています。
ーでは、どんどん上手になっていったのですね。

ゴルフは寄せとパットだ

三井 毎日のように500〜600球は打ちました。半年で90が出てとてもうれしかった。と同時に杖をつけば歩いて18ホールを回れることができたんです。これがとてもうれしくて、島津ゴルフクラブの会員権を買いました。
ーシングルになるのも簡単でしたか。
三井 いいえ、初めにもらったハンデは15で、10までは比較的すんなりといきました。でもそこからシングルになるまで4年かかりました。
ー何かひらめきがあったとか、誰かのアドバイスを受けたとかしたのですか?
三井 いいえ、とくにそういうことはありません。練習の積み重ねだと思います。そーですね。義足の調子がよくなったということもあります。以前は足(右足の接合部分)が痛いことがあって、右足に体重を乗せられず、左体重で打っていました。そのためボールが引っかかることが多かった。右足に体重が乗せられるようになり、球筋は安定しました。
ードライバーの飛距離はどのくらいですか?
三井 飛べば250ヤードくらいでしょうか。でも平均したら230ヤードくらいです。ミドルホールで2 オンを狙うより、3打目で1メートル半以内につける。これが私の理想です。
ー三井さんはDGAの活動に参加されて、何か得るものがありましたか?
 はい。障害の重い人が頑張っている姿を見ると元気がもらえます。私は障害が軽い方ですから、ここでは健常者のようなもの。もっと頑張らなくてはいけないと思いますし、ゴルフが出来る幸せも感じます。

三井さんの使用クラブ
ドライバー:ミズノ生チタンJPXE300 フェアウェイウッド:ロイヤルコレクションFDとF アイアン:ホンマ
ウェッジ:クリーブランド60度、52度 パター:オデッセイ2ボール